インターン生”ゆうたい”の滞在記

滞在期間:

2018.3.8~2018.3.22

滞在場所:

ゲストハウスたろえも

SMLXL

「次の春休みは学生生活最後の休みです。社会人になったらまとまった休みはとれません。思う存分遊んでください。」

内定をいただいた企業に面談にいった際、人事の担当者がそうおっしゃっていた。ぼくは大学院をこの春に卒業し、ついにサラリーマンとなる。でも実際のところ、思いっきり遊ぶにはお金がなかった。卒業旅行用に貯めていたお金が、訳あって自分の手元から離れてしまったためである(溶かしてはいません)。さらに、サラリーマンになったらお金がたくさんもらえる。だから、サラリーマンになる前のまとまった休みをこれからの人生にプラスになりそうなことに使おうと考えた。

さて、自分の人生にプラスになりそうなことってなんだろうか。ぼくは依然、研究室の秘書さんから「ふるさとワーホリ」の存在を聞いていた。「これじゃん!自然な環境に囲まれて、お金ももらえるし、案外長い春休みをつぶせるぞ(すみません..)。」と思った。母親が秋田県出身で小さい頃によく帰省していたぼくには、そこでの自然体験が心の中に大きく残っていた。生まれてからずっとねずみの国の近くに住んでいたぼくは第2のふるさとを探していて、アルプスの風景が好きなこともあって信州に目をつけていた。

でも、「ふるさとワーホリ」に、信州でおもしろそうな事業はなかった。エリアを広げて問い合わせてみたら、あった。岐阜県、しかも一度行ってみたかった白川郷。さらに、内容は地域づくりのお手伝いをしている会社でのインターン。ぼくはなんて運がいいのだろうと思った。

バスで新宿から白川郷へ。途中高山でアジア人観光客が多いことにびっくりしながら、到着した平瀬地区。同じ村でもたたずまいが全く違う…。どんな2週間になるのだろうか。

翌日の朝は10時から、初めてのミーティング。ぼくはいつも朝7時ごろごはんを食べて9時には大学の研究室に着いていたから、朝の時間つぶしに苦労した。軽く散歩してから、事務所のアオイロ・カフェへ。

薪ストーブのある、いかにも女の子が好きそうな可愛いカフェ(男だけど自分もこういうのとても好きだ)で、柴原さん曰く「この時期はあまりやることがない」。え?と思った。でもその訳が後々わかっていく。とりあえず、ぼくが院生で文書作成に慣れているだろうからってことで報告書作成のお手伝いとシェアハウスの改装を手伝うことになった。

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もちろん休日には白川郷(荻町)の合掌造りも満喫した。晴れた日は平瀬温泉から自転車で!

到着した週の土曜日、地元の小中学生の劇団、かやっこ劇団の初回公演を見に行った。ぼくは何かお手伝いしたわけでもなく、ただのお客さんだった。かやっこ劇団は、「子どもが変われば大人も変わる」(よもぎさん)という考えで地域の子どもと大人が一緒になって成し遂げるもの。ぼくはそのかやっこ劇団のうち、発表会で大人が見守る中一生懸命に演じる子どもたちの演技しかみていない。柴原さんは都合があって行けなかったけれども、「見たら絶対泣いてた」と言っていた。正直に言うと、ぼくは若干疎外感を味わったが、これが地域に根付くということなんだなあと思った。

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かやっこ劇団。今後の活動が楽しみだ。ぜひとも観光客にも見てもらいたい。

 

次の週、月曜日からの一週間はなんだかんだでいろんなことをやったと思う(大した仕事やってないし、実際に柴原さんからそう言われたけど、業務日誌をみたらいろんなことをやっていた)。

まず、シェアハウスの改装。見た目ボロ家(うそはつけない性質なんで…)、入った瞬間、これまた女の子が好きそうな木のぬくもりを感じる内装(男の自分はすごいわくわくした)。でも実際のところ冬はめちゃくちゃ寒いってことで、ストーブの熱が逃げないように、天井近くにパネルを貼っていく。電動ドライバーに苦戦しながら(人見知りなぼくは最後まで彼と仲良くなれなかった)、やや寸法違いのパネルを柱に打ち付ける。ぼくに工具の使い方を教えてくれて、時には「やべ、失敗した。ま、いっか。」と話す柴原さん。今回のインターンはシェアハウスでの作業が多かったこともあって、僕にとっての柴原さんは工務店のお兄さんというイメージが強いです(笑)。シェアハウスをつくるワークショップ、機会があったらやりたいな。

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ぽつんと建っているので、ボロ家だと思ってました(ごめんなさい)。来年度からは温かい部屋で過ごせるかも?

休日を挟んだ土曜日、白川郷ヒト大学の主催するトークイベントに参加。今回の講師は、エコビレッジの「SAIHATE村」を運営している、坂井勇貴さん。ゆうきさんはヒッピーの経験から、おもしろいヒト、モノに強く影響を受けていた。社会が全部そうなるのは難しいかもしれないけれど、個人だったらおもしろいヒト、モノを見つけてその直感を信じる生き方はできる。そんな風に自分は解釈した。働き方改革で国に、会社から指示されるのでなく、個人が自分の生き方をもっと考えたら楽しい世の中になるんじゃないかな。

自分のことだけじゃなくて、村のことも話しておかないと。よく田舎に行くと、個性的な人が多いというが、その通り。明るいヒト、もの静かなヒト、まんなかくらいのヒト…。本当は都会だと個性的な人にもっと会えるはずなんだけど、その姿を見られないだけなんだよな。それで、白川村には「結」の精神があって、お互いを助け合うっていう文化がある。合掌造りの茅葺を変えるときが、その一番わかりやすい例だ。でもその「結」の精神は薄れてきているらしい。実際、「若干わずらわしいときもある」って村民の方から聞いて、そこは都会と変わらないんだと思った。

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魚を荘川に放流するお手伝い、のお手伝いもした。釣り人が待ち構える中、橋の上からホースで流す…

ほかにも、観光客であふれる荻町のお店でのヒト大インターン生を新たに募集する、ということで自分で資料をつくっていくつかのお店で打合せをしたりもした。「全部任せる」って柴原さんに言われたけど、結局ほとんど助けてもらってました。おい来月からサラリーマンだぞ、大丈夫かこれ…。でも、ヒト大インターン募集ページにぼくが関与していることには変わりありません!ブログを読んでくださっているみなさん、インターン募集ページを見て、ぜひ応募してください!!

つづいて、インターンの話で定番の(?)カメムシくんの話。ぼくが到着したときは雪はずいぶん溶けていたけれど、まだ寒かった。それが、2,3日して自分でも暖かくなったなと思い始めたとき、カメムシくんがこれでもかと活動を始めてきた。20年ちょっとねずみの国の近くで生きてきて、ぼくがこれまでにみた量をはるかに超えるカメムシ。蕎麦屋さんの菅原さん曰く、「この時期のカメムシは春がきたな、と思わせる」(笑)。

はい、次はお待ちかねのご飯です(笑)。ご飯は、とろろステーキ(とろろのステーキ)がとても気に入った。すったて鍋もおいしかった(豆をすったもので、豆乳鍋よりポタージュに近い)。これらふたつは、とてつもなくずるい食べ物だ。美味しいに決まっているじゃないか。家に帰ったら作ってみようと思います。

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次平さんのとろろステーキ。ちょっとパリッとなったくらいがうまい!

雰囲気理系の僕は、話すのも書くのも苦手です。読んでいる人の気分を害さないように、そろそろ結びを述べよう。今回のインターンは、本当に率直に言うと、特にこれが学べたとか、一生を左右するような出来事に巡り合ったわけではない。それでも、柴原さん、地域おこし協力隊(石井さん、ふくちゃんさん、ふーこさん、よもぎさん)の方々が苦労話を楽しそうに語る姿が印象的だった。特に、よもぎさんは自分より年下(あんまりこういうことは言いたくないけれど、事実なので)なのに、村の多くの方々から信頼され、村民同士の強力なコミュニティを改めて作り上げるという、とてもいい経験をしている。その点で、とても尊敬しているし、こんなひとがいると知ったことはぼくにとってもいい経験だった。また、終始お世話になった柴原さんからは、サラリーマンとしてどうのこうのでなく、働くということ、生きるということについてをたくさん教わった。

まもなくサラリーマンになって、辛いとき、楽しいとき、いろんな場面で柴原さんのひとことひとことをかみしめるときが来ると思っている。それが、ぼくは、楽しみでしょうがない。

この滞在記の執筆者
みずのゆうたい
SLXLM

千葉県出身。生まれも育ちもねずみの国の近く。2018年の春に大学院を卒業し、ついにサラリーマンに!岐阜県は、自転車で旅行したことがありました(道の駅でテントを張って野宿生活)。次来るときは、雪かきのシーズンかな??