滞在期間 :2/1(木)~2/21(水)
滞在場所:岐阜県大野郡白川村平瀬・ゲストハウス たろえも
勤務先:一般社団法人ホワイエ
2年 山下優加(出身:埼玉県北本市)
〈活動内容一覧〉
1日 埼玉県から白川村までの移動、白川郷観光
2日 移住体験住宅『だいだいどころ』の掃除、アオイロ・カフェにてホワイエの業務説明
3日(休日)白川郷観光、アオイロ・バーでお食事・交流
4日(休日)白川郷観光~ライトアップ編~
5日 定例打ち合わせ、花火大会のボランティア募集依頼書を作成、
白川郷ヒト大学のHP作成(ヒト大インターンについて)
6日 飛騨ツアー(10・11日)のタイムスケジュールを作成、白川郷学園にて柴原さんのお話を聴講
7日 だいだいどころの雪かき、飛騨ツアータイムスケジュール完成
8日 ヒト大インターンのHP作成、合掌造り家屋『旧花植家』雪かき、『落人』訪問
9日(休日)平瀬散策
10日 移住体験ツアーにスタッフとして同行(飛騨古川)
11日 〃 (白川郷・平瀬)
12日 喫茶さとうお手伝い
13日 (休日) たろえもにてヒト大イメージ画について熟考、お昼に『おお松』にて郷土料理の「すったて鍋」食べる、夜は森下家で夕飯を頂き、バレンタインのチーズケーキ作りもした
14日 定例打ち合わせ、ヒト大インターンHP作成、『旧花植家』掃除
15日 一般社団法人設立の手伝い、『ローカルワーク編集合宿』報告書作成の手伝い
16日 ヒト大イメージ画制作開始
17日 (休日) かってこ雪花火大会(ボランティア)
18日 (休日) 花火大会の片付け手伝い
19日 定例打ち合わせ、ヒト大イメージ画制作
20日 ヒト大イメージ画制作、『旧花植家』掃除
21日 岐阜県移住促進団体活動推進事業事例発表会 同席
ここでの記録は、3週間のワーホリに参加して学んだことや感じたことを、私なりの言葉でつづると同時に、滞在中お世話になった方々(特に柴原さん)に向けての、感謝のお手紙になればという心持ちで書かせていただきたいと思います。
~ なぜワーホリに参加したのか ~
去年の4月、春休みに佐賀県のワーホリに参加した大学の友人の話を聞いて、ふるさとワーホリの存在を知りました。大学2年の生活目標を立てていた中の1つに、「長期休みの間、ただ観光するだけではなくて、様々な体験や交流をして地域の魅力を発見する何か特別な旅をしたい」という考えがあったので、ワーホリを知った時、私がやりたいのはまさにこれだ!と瞬時に気づき、即検索しました。「訪れたことがなかった岐阜に行ってみたい!」「ずっと行きたかった白川郷の近くで働ける」「ホワイエは数多くの業務を行っていて、いろんな経験ができそう!」こういった理由で岐阜県を選びました。また、これから先の生き方を考えていく上で、狭い世界しか知らない私は、もっと視野を広げたい!と思っていたので、迷わず応募した記憶があります。
待ちに待ったワーホリ初日の2月1日、新幹線とバスの中では「合掌造り家屋と雪景色早く見たいな」「ワーホリではどんな人達との出会いが待ってるかな」そんなワクワクした気持ちが湧いていました。でも一方で、「親元を離れて生活するのは初めてだし、しかも雪国で暮らすとは…ちゃんとやっていけるのか」「どんな仕事するのだろうか」もう、経験したことないものだらけで、今思えば不安の方が大きかったかもしれないです。柴原さんから後日聞いた話によると、出発前日に挨拶の電話をした際に、私の声から不安なのがかなり伝わってきたとおっしゃっていて。え!? 自分ではむしろ明るく話してたつもりだったのですが…やはり心のどこかで感じていたものは、読み取られてしまうんだなと思いました(汗)
いろんなことを思いながらも、無事白川郷に到着しまして、辺り一面真っ白で自分の背丈以上に積もった雪に驚きと感動を覚えました。こんな雪量、埼玉県では到底味わえない!それに加え、外国人観光客が多いこと!バスターミナルではアジア圏の観光客の中に埋もれてました。白川郷は、昇竜ルート(中部・北陸地方を周遊する人気の観光ルート)の1つでインバウンド客に人気だということは知ってはいたけれど、実際にその人数の多さを目の当たりにして、ここが日本であることを疑いましたし、外国語表記や多言語でのアナウンスなどの対応が成されていて、集落とはいえ、今や観光地として発展していることを肌で感じました。
合掌造り家屋と多くの外国人観光客
初めて見る本物の大きな合掌造り家屋に感動した白川郷散策を終え、再びバスで滞在場所になる平瀬へ。にぎやかだった白川郷と打って変わって、静かで落ち着いた雰囲気の平瀬。到着してすぐに、同日にワーホリスタートでゲストハウスも一緒の前川さんと、インターンでお世話になる柴原さんにお会いしまして。ゲストハウスではオーナーのともかつさんにも挨拶でき、生活する上での様々な説明を受けましたが、おぉ…ここでこれから生活するのかと、いろいろ頭が追いついてなくて、やはりまだどんな生活になるのか分からずにいました。来たからには頑張ってやっていくしかないと割り切って自分を落ち着かせようとしていた気がします(笑)その晩、たろえもで一緒に生活する2人と話をしていたら、偶然にも全員が大学2年生で同い年!話をしているうちに自然と緊張や不安が和らいでいって。仲間がいるからきっと大丈夫!そう感じて終了した初日でした。
毎日同じものは無く、様々なお仕事を経験させてもらえたので、どの仕事も私にとっては新鮮で刺激を受けたましたが、全体を通して、いろんな生き方に触れる機会が多かったのが印象的でした。白川郷学園での柴原さんの講義、飛騨ツアーでの交流等、私の知らない世界で人生を過ごす人に直接会って話す、聞く機会はとても貴重なものでした。交流できた人の生き方に共通していることを、柴原さんがおっしゃっていた言葉の中に見つけました。
生活面で印象に残ったことを一言で表現するならば、それは”自然と共生すること”です。冬は水道が凍らないように水をチョロチョロ出しておいたり、「消雪パイプ」が設置されていることなど、関東での生活の中では無いことが白川村には存在していて、合掌造りの屋根も含めて、雪国だからこその対策がされているなと感じました。
そして、冬は雪かきもこの地域では日常的に行われていること。ホワイエの業務の中でも雪かきを経験しましたが、今まで経験したことない雪量ということもあって、想像以上に大変だったので、ここで暮らす人達に尊敬の念をも抱きました。除雪作業の仕事をされている方は、午前3時頃に起床して出勤する、雪がどれぐらい降って積もっているのかが寝ている間に感覚的に分かるという話を聞いてすごいなと、こういう地域に住んでいる人にしかできないことだなと思いました。
冬でも生き物がたくさんおりまして、特に個人的に大変だったのがカメムシでした。たろえもでの生活の中で数えきれない程のカメムシが出てきたので、虫嫌いの私にとってはかなりしんどいものでした。平瀬の人はそんなことは慣れたもので、それこそ「ここは自然と共生してるから」とおっしゃっていて。とは言っても、3週間滞在するとさすがに私も慣れて、最後はあまり気にならなくなりました。カメムシもきっと寒いんだろうな∼なんて思えるようになって、生き物に対して少し優しくなれたかもしれないです(笑)それ以外にも、タヌキやシカにも出会いました。暖かくなったらもっといろんな生き物が出てくるんだと考えると、自然に囲まれた生活は大変だけど面白い!
また、「保存食文化」も学びました。寒い時期は食物が採れないため、暖かい時期に1年分収穫して保存する。漬物も保存食の1つで、煮たくもじや漬物ステーキというものを夕食に頂いたことがあったのですが、昔からの知恵が詰まったふるさとの味を感じました。
3週間の滞在で、地方での生活には、その環境に合わせた生活があるということを実体験することができました。
森下家で頂いた漬物ステーキ
雪かきをしに訪れた『移住体験住宅だいだいどころ』
ここでは主に、4日の白川郷ライトアップ、17日の『かってこ雪花火大会』について触れていきます。
4日、ゲストハウスたろえもでの生活を共にする前川さんも休日だったため、一緒に白川郷散策。この日はライトアップだったため、いつもより観光客が多かった。喫茶さとうで「そば団子汁」を食べ、外に出ると遠くに長い列が。展望台行きバスチケットに並ぶための列なんです。私達も展望台に行きたかったので、列に向かいました。13時チケット配布開始で定員480人、私達が並び始めた12時30分頃にはすでに380人並んでいて、少し遅れていたら危うくチケットとれないとこでした。チケットに記載されているバスの時間まで散策していたのですが、この日も降雪量がとても多くて寒かった…。暖取り兼休憩で立ち寄ったお店では、関西から来た大学生や中国人留学生、台湾からの観光客とたくさんの交流がありました。普段の生活では、知らない人と気軽に交流なんてできないのに、観光地に来ると自然とそれができたりして、観光地に人が集まると不思議な作用を生み出すという発見がありました。雪の中前川さんと凍えながらシャトルバスを待って、18時30分頃バスに乗り展望台へ。目の前には、昼間の白川郷とは異なる幻想的な世界が広がっていました。ここに来たからには見たかった景色をようやく見ることができて、頑張ってきた甲斐がありました!ライトアップに訪れたい人にアドバイスするならば、チケットの列には早い時間に並ぶこと・防寒対策はしっかりとして覚悟を持つこと・カメラをお忘れなく(スマホのカメラでは限界があって綺麗に映りません)ということですね。
花火大会では、雪が多く降る寒い中、村民総出で準備・運営に励んでいて、地域がよりひとつになっていたのが印象的で。かやっこの子供たちが一生懸命踊っていた姿や、雪景色のなかに打ちあがる美しい花火が目に焼き付いています。すったて鍋もとても美味しくて沁みました!アオイロ・カフェの出店のお手伝いもさせていただいたのですが、印象に残ったことが、柴原さんの長男・そうすけくんの生チョコ。そうすけくんは普段から生チョコを作るのが好きだそうで、花火大会ではその手作りの生チョコを販売していました。大人気で見事に完売!そうすけくんの嬉しそうな顔が印象的で、あ~良い経験してるなぁと思ったものです。子供が活躍できる環境がある、それも小さなコミュニティならではの良さなのではないかと感じました。生チョコとっても美味しかったので、いつかまた食べたいな~!
白川郷のライトアップや平瀬での花火大会といったイベントが、ワーホリ期間と重なったので、良い時期(タイミング)に白川村へ訪れることができてよかったです。
3週間というのは長いようであっという間でしたが、1日1日が濃い毎日でした。楽しく充実した生活を送ることができたのは、ワーホリ事務局の方をはじめとした支えて下さった多くの方々のおかげです。特に感謝したいのは、白川村の村民の皆さんと柴原さんです。
正直来たばかりの時は、地域の中でどう交流していけばよいのかわかりませんでした。でも柴原さんやよもぎさんが地元の方と接する機会を設けてくださってからは、すぐ親しくなってどんどん繋がりが増えていって。夕飯をごちそうして下さったり、白川村の歴史について教えてくださったり…いろいろと気にかけて下さったことがとても心の支えになって、良い思い出になりました。
ワーホリが終盤に差し掛かってきた頃、柴原さんが地域おこし協力隊のセミナーで行っているという、自己理解と目標達成のための計画を立てるワークを私も行ってみたところ、やりたいことはいくつも出てきたものの優先順位がつけられないという事態に…。柴原さんと話をする中で見えてきたことは、優先順位がつけられないのは、判断するための情報が少ないからということ。そこで情報を集めて興味のあるものを実行してみることからまず始めようという結果になりました。残りの大学生活に与えられた時間の中で、いかに自分と向き合っていけるか、行動できるかが私の課題であると感じたわけです。白川村に来て、地方の暮らしや仕事に関して学ぶことができたのはもちろんなのですが、これから歩む道の様々な「ヒント」を得ることができた、これが私にとって大きな価値になっています。来る前は、悩みを解決する答えを求めてしまっている自分がいた気がします。でもそれは違う、むしろスタートラインに立ったんだと気づきました。そう考えてみると、ホワイエでの様々な体験や柴原さんがおっしゃっていた言葉ひとつひとつが大きな意味を持ち、今の私に繋がっていると思っています。そして、ワーホリに参加すること自体私にとって挑戦で、行動してみたからこそ出会えたもの、得られたものがたくさんあったことに気づいて。白川村を選んだことが縁となって自身と向き合う時間を自分で作り上げたと考えると、自分に少し自信が持てるようになりました。柴原さんが、答えは人それぞれで正解はないとおっしゃっていた『人生を面白く有意義なものにするのは一体誰ですか』という問いかけ。3週間の滞在の中で出した私の答えは『自分』です。後悔しないように、やりたいことはとことん挑戦していきたいと思っています。人生楽しく生きて、成長した姿でまた白川村・平瀬に来たい、柴原さんにお会いしたい!と思っています。3週間本当にありがとうございました!