10/30に開催された「われらがつくる茅ニュウプロジェクト」の茅ニュウ編レポートをお届け!
この企画は白川郷の世界遺産登録20周年を記念して、2回にわけて開催されました。
【茅ニュウとは】合掌造り民家の屋根は茅(ススキ)で葺かれています。茅は昔から白川村周辺の山々の茅場で秋口に刈りとり、刈りとった茅を円錐状に積み上げて「茅ニュウ」をつくり春先に行われる葺き替えに備えていました。茅ニュウは冬期間、雪の中で埋もれて過ごし春先の屋根葺き前に掘り起こされて合掌造りの屋根に使われていました。茅保管庫が整備された現在「茅ニュウづくり」は行われなくなりましたが今回その「茅ニュウ」を世界遺産20周年記念モニュメントとして復活させたいと考えています。 (白川村役場HPより引用)
合掌造りの屋根材として使われる茅を、昔は茅ニュウといわれる方法で保存していたんですね。
現在は、茅倉庫ができたのでそちらで保管してるので、ほとんど見ることができないとの事。
昔ながらの文化を後世に残していくためにも、今回の企画が実施されたというわけです。
1回目の -茅かり編-をご覧になってない方は、ぜひそちらもご覧くださいね。
Let’s 茅ニュウづくり!

開催されたのは10/30の事。あいにくの曇り空ですが、このあと少し晴れ間がのぞいたり。
紅葉は少し終わりかけですが、まだまだ美しい光景の中での作業となりました。
立ててある柱が茅ニュウの支柱になります。今回は全部で3個の茅ニュウをつくりますよ。

今回も一般参加者の募集があり、10名を超える方がご参加くださいました。
中には茅の保存をされてる方や、村外の茅の吹き替え職人さんも!
どの地域も刈り取ったあとの茅の保存場所に困っているそうで、茅ニュウの勉強のために参加してくれたようです。全国の茅に関わる方が、こうして白川村に集結してくれるなんて、とってもうれしい事ですね。

前回のプロジェクトで刈り取った茅がトラックで運ばれてきました。
参加者みんなで、茅のバケツリレー。
はじめましての人も、一緒に汗を流す事で一体感がうまれます。

この頭にタオルを巻いてるおじさん。実は白川村の村長の成原茂さん。
村長みずから汗をかいてプロジェクトに参加してくれました!
茅自体は重いものではないのですが、数が多いので地味に堪えます。

運んだ茅は、さきほどの支柱に重ねていきます。
音頭をとるのは白川村の茅噴き職人さん。やっぱ職人さんの背中かっこいい。
ようやく、茅ニュウの全貌が見えてきました。なんだかかわいいでしょ。
お昼の時間になりましたよー!

ここいらでいったん休憩です。会場は旧松井家という合掌造り家屋。
実は今回の茅ニュウは、来年予定されている旧松井家の吹き替えに使うのです。
自分たちで刈ってニュウを作った茅が、合掌造りの屋根になるなんて、、、
なんだかジーンとくるものがありませんか?私だけじゃないはず!

今回のお昼も平瀬にあるお食事処 次平さんのスペシャル弁当!
ボリュームたっぷりで、とにかくおいしい!ご飯は古代米です。
さぁ、午後の張り切って茅ニュウづくりです。

午後も引き続きの茅ニュウづくり!
この頃になると、息もぴったり。エッホエッホと茅を運びます。
今回の茅ニュウ造りに使われた茅の数は、なんと900束だそうです!

茅ニュウ造りの仕上げに入りました。
紅葉と、茅ニュウと、職人さんがいい感じ!
茅を円錐状にしていく事で、水はけを良くする必要があります。
茅ニュウが完成しました。

最後に参加者みんなで、記念写真。今回もみんなええ顔してはる。
3個の茅ニュウを作ったけど、みんな微妙に形が違いますね。
個人的には真ん中の茅の形が好みです。
どこか日本ではないような、そんな雰囲気さえ感じられる1枚となりました。

今回つくった茅ニュウは、こんな感じにライトアップもされていました。
集落に突然あらわれたオブジェにびっくりされた方もいるんじゃないでしょうか。
昔は、こんな茅ニュウが白川村のいろんなところにあったんですね。
まとめ
今回は「茅ニュウプロジェクト」のレポートをおとどけしました。
作業を通して感じた大切なことは、文化をつなげるってこと。
白川郷はたしかに世界遺産だけど、合掌造りという建物だけ守ってはダメなんです。
そこに暮らす人が茅の吹き替えだったり、茅刈りという文化を次世代につなげていかないと。

白川村の茅葺き職人の皆さん。かっこいい男たちです。
今回つくった茅ニュウはこのまま冬を越し、来年おこなわれる旧松井家の屋根の葺き替えの際に使われます。
その様子もレポートしますので、お楽しみに〜!