「どぶろく」が繋ぐ皆さんとの絆

はじめに

初めまして、ゾネスこと石本龍太郎です。

 

今回は一般社団法人ホワイエさんのインターン生として白川村に2週間ちょっと滞在しておりました。

人生最大級に濃ゆ~い2週間となった村内生活を語らせていただきます。

城山天守閣展望台からの美しい景色

滞在目的

私は大学院で、「文化的景観」をキーワードにした研究をやりたいと考えていました。加えて自分のルーツでもある「お酒」と合わせて何かできることはないかなと考えていたところ、白川村に根付いている、古くからの「どぶろく」文化が、全国的には消滅の危機にあることを知りました。そこで、貴重な「どぶろく」が残っている白川村において、周囲の景観や人々の生活を含め、保全していくための研究をすることに決めました。しかし、まずは村で生活を送りながら、村の方々と交流を深め、現場目線で物事を考えられるようになる必要があるな!と思っていたところ、縁あってホワイエさんで二週間働かせていただくことになりました。

いざ村へ!

白川村に向かう当日はあいにくの大雪で、村は雪に埋もれており、いきなり雪国の洗礼を受けたのか!?と思いドキドキしながらゲストハウスへ。しかし到着後オーナーさんの暖かいお出迎えにほっこり。村での生活がスタートしました。

お仕事

村でのお仕事って何やるんだろ?と思いながらホワイエさんの初ミーティングに参加させていただきました。そこで最初にすることになった業務は、なんと「就業規則作成」!!えっ、企業の就業規則作成ってめっちゃ責任重大なんじゃ…、と思いつつも作るからにはしっかりしたものを作ろうと思い挑戦してみました。将来のホワイエの社員さんのためにちゃんとした規則書ができてたらいいんですけど笑

 

次に挑んだお仕事は旧花植家の合掌家屋お掃除です。そう白川村と言えばこれでしょ!!って思わせてくれるお家のお仕事でした!翌日には筑波大学の学生さんが滞在することになっていたので、丁寧にお掃除しました。お掃除をしていて気づいたんですが、旧花植家の合掌はリノベーションされていて、室内はモダンな感じで素敵でしたよ!若い人も案外住みやすいのかも。さらに、もう一つ合掌のお掃除?の内容で忘れられないのが、入り口までの道作りです。(??)と思った方も多いかと思いますが、3月初旬の白川にはまだまだ雪が残っており、特に旧花植家周辺はがっつり雪が積もっていました。なので普通の靴では歩いてたどり着けないのです…。そこで白川の方言で言う「かってこ」(雪が凍って沈まずに歩ける状態)の道を作るべく、雪国新潟出身のパワーを発揮しました。勝手にたくさん作った雪の階段の出来には満足です(自己満)笑

 

この他にも定例会議に参加させていただいたり、2週間ちょっとの期間に色々と業務に携わらせていただきました。お仕事だけれどすべて経験したことのないもので、がっつり楽しみながらやってしまいました笑

これが傑作合掌までの道です!

「どぶろく」体験

初めて白川村で「どぶろく」に関わらせていただいたのは、平瀬八幡神社での仕込み体験です。白川村では飯島、鳩谷、荻町、木谷、平瀬の5地区で「どぶろく」が仕込まれます。5地区の最後、毎年大寒の後に行われる平瀬の仕込みは二日間に渡ります。分量決め、洗米、含水、蒸し、冷却、麹添付、仕込みと長丁場の仕込み現場に入らせていただいて、杜氏さん、氏子の皆さんと一緒に汗を流しました。威勢のよい声が響く現場で、杜氏さんの雰囲気は真剣そのもの、前年よりもおいしく、今までよりもおいしく造りたいという思いに満ちていました。そんな皆さんの思いに感化されて、私も気づけば時間を忘れて一心不乱に作業にあたっていました。朝4時前から始まって、午後4時以降まで続く二日目の仕込みもあっという間に過ぎていきました。でも終わったころにはすべての力を使い果たしへとへとでした。みんなで仕込んだ「どぶろく」が美味しくなって、次のお祭りで振舞われることを願っております!!

そして仕込みの後には、氏子の方と集まって「どぶろく」にかける思いを沢山聞くことができました。丸々一年かけて造り上げる「どぶろく」、そこに携わる苦労は計り知れませんが、今に至るまで、地区の中で脈々と受け継がれる仕込みの伝統、その魅力に気づくことのできる体験でした!

平瀬八幡神社

平瀬の神酒殿

仕込み後のどぶろく

実際に仕込みに入らせていただいた平瀬以外の地区の杜氏さんたちにも、沢山のお話を聞く機会に恵まれました。人口1600人に満たない小さな白川村ですが、各地区の仕込み方や原料は一緒ではなく、それぞれのこだわりが垣間見えました。しかしどの杜氏さんも「どぶろく」に対する熱意、こだわりは全く変わらず、責任感を持って造られていることをまざまざと実感させられました。それぞれの地区の「どぶろく」を試飲させていただきましたが、一つとして同じ味はなく、それが魅力の一つなんだなぁと感じたので、お祭りのシーズンに白川村へ訪れた際は、全神社回ってみることを皆さんにもお勧めします!!

最高の拠点NBK

今回の滞在期間中に研究を支えてくれた場所、それがNBK(南部地区文化会館)でした。NBKは南部地区の人々の交流を深める場所となっており、図書室では研究に役立つ書籍がそろい、研究者や大学生も落ち着いて作業できる空間づくりがなされていました。そこで司書さんとして働くまゆさん、ありかさんにお世話になりつつ、村で体験した内容やヒアリングした内容をまとめていくことができました。またお二人を始め、様々な方と交流を深める場所として、とても有意義な時間を過ごすことができました。さらにオフィスにいらっしゃったさゆりさんに、村の方々を紹介していただいたり、実際にヒアリングに同行していただいたりと、本当に暖かくご協力をしていただいたお陰で、今回のヒアリング調査は成功したと言っても過言ではありません。

今度白川村に戻ってきたときも、最高の拠点NBKを思う存分活用させていただきたいと思います!

NBKの図書室の風景、とても居心地良いですよ!

合掌家屋ディナー

ホワイエさんのお仕事でお掃除させていただいた旧花植家の合掌家屋には筑波大学の学生さん達が滞在していましたが、ありがたいことに呼んでいただき、食卓を囲みました。普段食べられない地元の食材に舌鼓を打ちました。素敵な家屋に美味しいご飯、これ以上ない組み合わせですね!幸せなひと時でした~!

贅沢な飛騨牛焼肉!!

最後の夜

いよいよ最終日の夜、これで白川村もいったん見納めか、と感傷に浸っていたところ、お世話になった杜氏さん達の夕食に招待していただきました。どぶろくや鹿ソーセージと白川村独自のものを食卓に並べ、他愛のない会話や酒造りへの思いに関する会話に花を咲かせました。最後の最後でもっともっと白川の人々が好きになりました!

最後に

コロナ禍にも関わらず、滞在を工面してくださり、業務にあたらせて下さったホワイエの柴原さん、まゆさん、まいこさん、仕込みやヒアリングを快く受け入れて下さった村民の皆さんには感謝の思いが絶えません。滞在開始前には、私がウイルスを持ち込まないように、実家の新潟に戻ってPCR検査を受け、約2週間、毎日体温測定をし、あまり出歩かないようにしておりました。その上でも、正直こんなご時世の滞在ですから、多くの不安が付きまとっていました。しかし村民の皆様の家族のような暖かい愛情のおかげで、そのすべての不安が振り払われました。白川村には人を惹きつける謎のパワーがあるようで、また訪れたいと強く思うようになりましたし、村民の方々と一緒にまた何かに取り組んでみたいと思うようになりました。なのでぜっっったいに戻ってきます!!

ぼんやりとした希望ですが、将来的には「どぶろく」を村の魅力の一つとして伝えていけるよう、村の子供たちと一緒に考える取り組みをやってみたいですね。また村では少年野球をやっているって聞いたんで、その練習にも参加してみたいな~なんて思っている今日この頃です!

とにかく白川村サイコー!!どぶろくサイコー!!でした。今回の出会いに感謝して、お話を締めさせていただきたいと思います。

庄川の透き通る水を見れば、お酒が美味しいのもうなずけますね!

この記事を書いた人

石本 龍太郎(いしもと りょうたろう)

・京都大学大学院 農学研究科 修士一回

・居合道(伯耆流)をたしなむ武道系男子。美味しい焼肉屋さんを探してます。