「僕ができる島への恩返しの第1歩。」島を巣立つ後輩たちへ、内地での”住まい探し”の相談会を開催します。

こんにちは。八重山ヒト大学の前盛よもぎです。

 

突然ですが、高校生の皆さんへ。今週末に石垣島で開催される「あやぱにぬ部屋探ししょーら」というイベントのことを、知っていますか?

 

去年から始まったこの企画は、ある”熱い思い”を持った島の先輩が、後輩たちのために実施している「お部屋探しの相談会」です。

 

詳細はチラシをタップして見てね。

 

開催直前のお知らせとなってしまったのですが、これから進学・就職などで島外へ出る予定のある高校生にぜひ届けたい内容だと感じたので、主催者の思いと共に、ここでも紹介させてもらいますね。

「島を離れて広い世界へと飛び立っていく後輩たちの門出をサポートしたい」

穏やかな口調でそう語ってくれたのは、八重高65期卒業生(現在24歳)の友利ともり青海かいさん。

 

 

大阪の大学を卒業して現在は不動産会社で働いているという彼こそが、今回の「あやぱにぬ部屋探ししょーらプロジェクトを立ち上げた張本人です。

 

青海先輩がなぜこの企画を実現しようと思ったのか、どういう思いを持って活動に取り組んでいるのか、お話を聞かせて頂きました。

 


 

— 早速ですが、青海先輩、まずは今回のイベントを立ち上げたけっかけや背景などを、教えて頂けますか?

 

了解!そしたら自己紹介も踏まえて簡単に説明させもらうね。

 

まず俺は、幼稚園から高校まで野球をやっていて、島にいた頃はずーっと1つのことにだけ打ち込んで過ごしてきたわけさ。

 

だから大学に進学したときは「何か新しい挑戦をしてみたいな」って思って、ネパールに子どもたちに野球を教えに行ったり、孤児院に三線もって歌いに行ったりと、色々な世界に飛び込んでみた。

 

会ったことのなかった人と話したり、見たことのなかった場所のことを知れたりするのは楽しかったし、そこで初めて、発展途上国が抱える課題とか、いまの世界の経済の流れに対する疑問を感じるようになったんだよね。

 

 

ミャンマーで井戸を掘ったときとか、日本じゃ見たことのないような緑色に濁った川が流れててさ。近づいて見たらブクブクしてて、現地の人に理由を聞いてみたら、有毒ガスが湧いてたんだよね。

 

俺たちはその隣で井戸を掘ってて。「あれ、これ意味あるのかな。ここで掘っても、ここの水を飲んだ人は多分お腹壊すよな」とか思ったりして。

 

なんか、「もっと根本的な解決の仕方があるんじゃないかな」と、思ったんだよね。

 

そもそも、川が汚れてるのは、現地の人が資源ゴミとか洗剤とかをそのまま流してるって理由もあってさ。

 

先進国で売れ残った賞味期限切れのジュースとかが発展途上国で安く売られてるんだけど、現地の人はペットボトルとか瓶とかの処理の仕方をよく知らないから、飲み終わったら平気でその辺にポイッて捨てちゃうわけ。

 

でもそれは、「土に還らないゴミは処理をしなきゃいけないものなんだ」って教えてくれる人がいないから、自分たちの手で土地を汚してしまっている意識がないだけでさ。

 

そういう状況を目の当たりにすると、よそから人がやってきて一時的な表面的な課題解決をするプロジェクトではなく、もっと本質的に「現地の人の教育」に力を入れないと、その地域の幸せ度は上がっていかないんじゃないか、と感じたんよね。

 

利益だけを求めた世界の影響が、こういう場所にこういう形で表れているんだなあって知って。

 

でも同時に、世界規模の問題とかになると、今の俺にできることって何もないんだなってのもよく分かって。

 

じゃあ自分にできることって何だろうって考えたら、まずは自分の1番身近な大好きな場所を、より良く、豊かにしていけるような仕事がしたいな、と思ったんだよね。

 

 

俺は今まで色んな地域に行ってきたけど、「自分の1番大事な場所は石垣だ」って思いはずっと変わってなかったし、地元のことって何よりも熱意をもって頑張れるなとも思ったからさ。

 

世界における先進国と発展途上国の関係性は、日本における都市部と地域の構図と似てるのかもしれない、とも思ってたから、

 

世界が平和になるために自分ができる小さな1歩として、前から興味のあった島の教育分野に向き合ってみたいと思ったんだよね。

 

・・・で、じゃあ具体的にどうやっていこうかって思った時に、一言で 「教育」といっても、俺は学問的なことを教えるというよりは、キャリア教育みたいな人生選択に関わることをしたいなと思っていて。

 

というのも、俺が感じてる石垣の課題の1つに「子どもたちが描ける将来の選択肢が少ない」というのがあってさ。

 

都会の子どもたちに「将来やりたいこと何?」って聞いた時に返ってくる夢の数と、同じ質問を石垣の子に尋ねたときの答えとでは、出てくる夢の数が全然違うんだよね。

 

大学時代に教育実習で島の学校に行った時にも実際に聞いてみたんだけど、「公務員」とか「親の仕事を継ぐ」くらいしか出てこなくてさ。

 

島の子どもたちってさ、めちゃめちゃ素直で、人が好きで、パワーがあるやんか。

 

今これだけ人間の仕事がAIに替わっていってる時代の中で、そういう「人間力」を持ってることって、めっちゃ魅力だし、これからの社会ですごく大事な要素になってくると思ってて。

 

 

— 青海先輩の言う「人間力」ってどんなものですか?

 

俺が思う「人間力」は、人から信頼される力のことやね。

 

人間の暮らしに関わる全てのことを機械がやってくれる時代が来たとしても、お金のやモノの価値が移り変わっていったとしても、

 

「この人だから任せよう」「この人がお勧めするものなら安心できるな」って感覚は、人間である以上ずっと大切なことだと思うし、人から信頼を寄せてもらえる人なら、いつの時代も豊かに生きていけると思うから。

 

そういう、人としての魅力やポテンシャルを持っている島の子どもたちが、小さな地域の中でちっちゃくまとまるのは勿体無いなあと思うし、この子らが広い世界で夢を描けるような環境を、島にも整えられないかなと思ったんだよね。

 

それで、島の環境の中で子どもたちが視野を広げるためには、どういう方法があるかなって考えるようになって。

 

色々思いついたんだけど、最終的には「面白く生きてる大人と沢山出会ってもらうこと」が1番かなと思ったわけさ。

 

今の自分自身が後輩に伝えられることなんてほんのちょっとだから、実際に色んな世界で働いてる人たちを石垣島に呼んで、仕事の話や進路相談などをしてくれる機会を作れるといいなと思ったんだ。

 

そしてそのためには、まずはそう言う場をセッティングできるような存在に自分がならなきゃと思って。

 

今さ、「CSR」って言って、企業が社会に対して貢献責任を果たすみたいな動きが流行ってるじゃん。わざわざすごいお金をかけてどっかの地域に出かけて数時間ゴミ拾いとかして、最後にみんなでわーいって感じの写真撮って終わりみたいなの、よく見かけるよね。

 

でも、本当はそんな一過性のものよりも、その会社の社員数人でもいいから、どこか離島とか田舎に出向いて、その地域の子どもたちに色んな生き方・働き方があることを伝えるような、本気の話を聞かせてあげるような場を設けるほうが、よっぽど社会にとって価値あることじゃないかなと思ったわけさ。

 

それで、そんな提案を俺が企業に対して出来るような立ち位置に行きたいと思ったときに、今の会社は提携先が800社もあってから。成長中の会社でもあるし、ここで実績をつけていけたら、自分が叶えられることの幅も広がるなと思って、入社したんだよね。

 

俺が就活の時に大事にしてたことで、「自分が成長できる場所である」っていうことと、「人脈の幅を広げられる場所である」っていうことの2つの軸があったんだけど、それは今話したような経験があったから出来上がった価値観なんだよね。

 

 

今回開催するこの「あやぱにぬ部屋探ししょーら」というプロジェクトも、そんな自分なりの「島への思い」を形にするための第一歩でさ。

 

これから八重山を出て1人暮らしをする後輩たちや、そのご家族に向けて、「安心して新たな暮らしを楽しんで欲しい」という気持ちで取り組んでいるよ。

 

あと実は、俺自身も大学進学の時に部屋探しで失敗したことがあってから。それも今回企画をやろうと思った理由の1つわけさ。

 

俺は18歳で大阪に引っ越すとき、親に迷惑かけたくないからと思ってパンフレットに載ってた1番安い物件に決めたんだけど。12畳って書いてあったのに、いざ行ってみたら6畳でからに(笑)

 

家具とかも12畳用で買ってたから全然入りきらんくて、カーペットとか折り畳んで使ってたよね。最寄駅からも徒歩60分くらいで、スーパーとかコンビニまでも徒歩30分。ほんとバンナみたいな環境でさ。

 

寒すぎて色々凍結するし、なぜか近所に前方後円墳(古墳)とかあるし、「ここは本当に大阪か!」ってびっくりしたよ(笑)その頃1ヶ月で10キロ痩せたりもして、「面白いネタできたなー」くらいの気持ちではいたけど、やっぱりそれなりに大変でからさ。

 

親が大阪に遊びに来たときも、家に着くまでの間、駅から歩く距離が長すぎて靴底が剥がれたりして(笑)

 

「18年間大事に育てて来た息子がこんな過酷な環境で住んでるのは悲しい。引っ越したほうがいい。」って母親にも言われて。

 

それで初めて、1人で不動産屋に入ってみたんだよね。

 

でもそのときの俺、ひげも長かったし、髪も伸ばして結んでて、見た目が悪かったわけよ。

 

そしたら、そのせいなのかなんなのか分からんけど、受付に座る前から「ああ、あなたにご紹介できる物件はないんですよ、ごめんなさいね。」みたいな感じで、追い返されてからさ。

 

「いやいや、俺まだ希望条件すら伝えてないんですけど!」ってびっくりしたし、けっこう悲しくて、傷ついてさ。不動産会社に行くのが怖くなっちゃったんだよね。

 

でもそういうのがあって、島から都会に出てきて1人で物件探すのって不安だなって知ったし、同じように不安を感じてる島の同世代や親御さんは他にもいるだろうなーって思ったわけね。

 

それで今回みたいな、島の後輩たちやその親御さん向けの相談会を始めたんだ。

 

 

この「あやぱにぬ部屋探ししょーら」の当日の内容としては、物件探しに関わる0から10まで、その人が不安に思っていることになんでもご相談のります!という感じ。

 

「1人暮らしするのに何から準備すればいいのか」「物件探しをどういう風に進めていけばいいのか」っていう道筋を、お子さんと保護者の方と一緒に確認して、安心して島を巣立つための準備のお手伝いをしたいと思ってるよ。

 

必要であれば具体的に物件の案内もできるし、あとは別に住まいの話じゃなくても、進路選択のこととか、内地の暮らしのこととか、たわいもない相談をしにきてくれるだけでも全然良くて。

 

親御さんも高校生も、色々な不安を抱えてるだろうけど、島の中だとそういう相談ができる近い年代の先輩の存在って、意外と少ないんじゃないかなとも思っててさ。

 

去年開催したときは、30名くらいきてくれたんだけど、参加してくれた子ども達や親御さんが後から手紙をくれたりして「近くに相談できる人がいなかったから、やってくれてすごくためになりました。またやってください。」って書かれてたりして、すごい嬉しかったんだよね。

 

当日来れなかった人からも、「今回は行けんかったけど、青海の心意気にすごく感動したよ。頑張れよ。」って連絡くれたりして、やってよかったな〜て本当に思って。

 

開催まで色々大変なことはあったけど、そういう声があったからこそ「今年もまたやりたいな」って思えたわけさ。

 

 

あと、今回の裏テーマとして、自分の同世代の人たちに「石垣から離れた場所に住んでる人でも、こうやって石垣に貢献する方法があるよ。社会人2年目でも、動けば何かしら思いを形にすることができるよ。」ってことを伝えたい、という思いがあって。

 

俺たちの世代ってさ、自殺が多い世代だったわけよ。

 

今まで俺の周りだけでも7人くらいいるんだ。

 

なんかそういう出来事はずっと心にひっかかってて、「なんでなんだろう」と考えてたんだよね。

 

その答えは今でも分からないけど、でもふと、いまの俺の精神状態だと、何があっても「死のう」という考えには行き着かない気がするな〜と思ってさ。

 

だったら、まずは俺自身が影響力を持つことで「あ、かーいーみたいに生きてみれば、人生なんとかなるかな」って、気を楽にしてくれるような人が増えていったらいいなと思ったわけよ。

 

自分の生き方が誰かの希望や救いになるとまでは思えないけど、でもちょっとでも、自分の行動や生き方が人に良い影響を与えられるといいなと思ってるわけさ。

 

そんな感じで、色んな思いが詰まったイベントになっているので、ぜひ多くの方にお越しいただけると嬉しいです!

 

高校生のみなさん、会場でお待ちしてますー!

「あやぱにぬ部屋探ししょーら」当日の情報

内容

① 石垣島(八重山高校)出身の先輩の住まい探しや、ひとり暮らしの経験談、上京した時のことなど、生の声がきけます。

② お部屋探しの流れを詳しく教えてもらえます。

③ 家賃相場や住環境、どんな物件があるのかなど、不安や疑問に答えてもらえます。

④ 具体的な物件情報を紹介してもらえます。

⑤ 住まい探しのパンフレットがもらえます。

日時

第2回目:2018 年 11 月 17 日(土)・18 日(日)

第3回目:2018 年 12 月 15日(土)・16 日(日)

時間

10:00 〜 17:00

場所

石垣市社会福祉センター

昨年の参加者の声

昨年部屋探しで迷っている時に声をかけてもらい参加しました。自分に合った部屋を親身になって探してくれたり、一人暮らしの不安などを聞いてもらったりしたので、部屋探しに悩んでいる人にはオススメです!

当日のお問い合わせ

\   こちらをタップ!  /

 

 


 

— いや〜、こんなにがっつりした記事にするつもりはなかったのに、青海先輩のお話が思った以上にめちゃめちゃ熱くて、ついドバーッと書いてしまいました・・・。

 

でも実は今回、イベント直前(前日)に急遽書くことが決まったので、執筆時間が全然足りなくて。

 

かなり内容を削ってしまっていて、青海先輩が語ってくれた思いの10分の1も、書き切れてないんです。

 

だから、また近いうちに、改めてきちんとしたインタビュー記事として、公開させてもらおうと思ってます。

 

ここでは語り切れなかった、青海先輩のすてきな人生の物語、皆さんぜひ楽しみに待っていてくださいー!

 

(今回に引き続き、12月15日・16日には第3回目の開催もあるので、そちらもぜひチェックしてみてね。)

 

Text by 前盛よもぎ Photo by いけむらたかし

 

この記事を書いた人
前盛 よもぎ ( Maemori Yomogi )
石垣市星野村出身。地域づくり・教育について現場で学ぼうと、早稲田大学を休学して岐阜県白川村に移住。ローカルでの生き方の多様性・働き方の選択肢を増やすことを目標に、様々な学びの場づくりを実践中。踊ること、対話することが好きです。1995年6月生まれ。
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